2014年9月、大阪府は「デザインサポートプロジェクト」の第1回コンペティショ ン受賞10件の選出を行なった。(参照:東洋タイヤ、米国でのタイヤ意匠権侵害に認定

第1回コンペのテーマは 「アイウエア」。目に装着するメガネやウエアラブルデバイス、関連ソフトウエアに関するデザインを募 集し、4月30日の締め切りまでに約30 件の応募作品が集まった。

その中から今回は入賞7件、優秀賞3件が選出された。「恋するメガネ」と名付けられた受賞作品はメガネフレームの下部に発光ダイオードが組み込まれており、頬を色とりどりに照らす。そのほか、振動で情報を伝えるメガネやノーズ パッドなしメガネなどが受賞した。

このコンペティションは発表前に受賞者名義で受賞作品の特許や意匠登録の出願をすることになっており、受賞者が費用の負担をすることなくデザ インの権利化ができる仕組みだ。

その後、弁護士や司法書士などの法律家リーガルチームによって事業化のサポートがなされて企業マッチングから ライセンス・売買交渉 ができることとなっている。第2回コンペは医療・介護がテーマとなり、11月30 日が締め切りとなっている。

メガネやウエアラブルデバイス等の開発者は、本業である製品の開発には優れていても、それ以外の知的財産権や事業化の手続きについては、不得手なものです。

このような企画は、優れた技術を開発した者が、専門家から、知的財産権の獲得・ライセンス契約や事業化等につきアドバイスを受けることにより、その開発による利益を十分に償還できるようにするものです。

このようなサポート体制があれば、開発者は、安心して開発に専念できます。もっとも、このようなメリットを享受できるのは、入賞したものに限られますが、多くの者が受賞と受賞によるメリットをを目指して技術開発に切磋琢磨することは、その業界全体のレベルアップにもつながります。

そのうち、このコンペから、世界中を席捲するような優れた製品が生まれるかもしれません。とにかく、技術開発が成功に結び付くには、多くの分野の専門家の連携が必要です。その意味では、このような企画は、正鵠を得たものといえるでしょう。