米コンバースは2014年10月14日、靴の意匠権の侵害をされたと日米の合計31社を相手取りニューヨークの連邦地裁と米国際貿易委員会 (ITC)に提訴した。
(参照:意匠権の保護される期間はどれくらいですか?

デザインなど意匠権を侵害されたと訴えているのは、米スポーツ用品大手ナイキ傘下の伝統ある靴メーカーであるコンバースで、同社の代表的な商品である「チャックテイラー・オールスター」の意匠が真似されたとしている。

訴えられたのは米小売り最大手ウォルマート・ストアーズや米高級ブランドのラルフローレン、そして日本のノーウェア(東京都渋谷区)といった各メーカーだ。「チャックテイラー・オールスター」の特徴である靴の先端のゴム部分やシューズを取り巻くストライプデザインが、コンバース社の意匠権を侵害しているという。

米コンバース社は2008年に生誕100年を迎えた伝統あるアメリカのシューズメーカーであり、同社の代表的な商品がキャンバス地でできたスニーカー「チャックテイラー・オールスター」である。

スニーカー「チャックテイラー・オールスター」の先端のゴム部分や、シューズを取り巻くストライプは、公然と知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づき容易に創作できる意匠等に該当して、意匠権は成立しないようにも思えます。

しかし、既に意匠登録がされていますから、この問題はクリアされています。日本でも、「チャックテイラー・オールスター」に類似したスニーカーはあちこちで見かけられます。一つの型として完成していて、誰もが自由に利用できるような気もします。

コンバース社が、意匠権の侵害で提訴したと聞くと、何を今更という気もしないではないですが、意匠登録がなされている以上は、法的には特に問題はありません。訴えられた相手方の商品が、コンバース社の商品と類似しているかどうか、そして、類似商品とみなされた場合には、その販売により、コンバース社が損害を被ったかどうか、この2点のみが問題となります。

意匠権の範囲は非常に曖昧で、裁判の運用次第では、その効力を非常に広い範囲まで及ぼすことができるといわれています。今後、この裁判がどのように展開していくかが注目されます。