意匠権の保護される期間はどれくらいですか?

意匠法第21条に「意匠権の存続期間は、設定登録の日から二十年をもって終了する。」という規定があります。この規定により、意匠権は、登録日から20年間、独占排他的な権利が付与される、ということになります。

ただし、より正確に申しますと、保護期間が20年となったのは、2007年4月の改正によってであり、それ以前の、意匠権の保護期間は15年でした。

したがって、2007年4月1日以降に出願した意匠権は、保護期間は20年であり、2007年3月31日以前に出願した意匠権につきましては、たとえ、設定登録された年月日が2007年4月1日以降でありましても、存続期間は15年となります。

ちなみに、この意匠権の保護期間は、知的財産権全般の保護に関する国際協定である、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)において、最低でも10年以上の期間にしなければならないと定められています。

それゆえ、アメリカの保護期間は14年間、欧州の主要国では5年間で更新により最長25年間となっています。

最近では、この意匠権の保護期間は、ロングライフ製品の増大、リバイバルブームによる過去の商品の再商品化の増加等により、その期間の延長に対する要求が高まっており、日本を含め世界的に延長される傾向にあります。

このような製品のライフサイクルの長期化やリバイバルブームが今後も続いていきますと、日本でも、これから、保護期間が20年を超えて、延長されていく可能性は十分にあります。

なお、意匠権の存続期間に関して、注意しなければならない点があります。それは、一度登録をすると自動的に20年間の意匠権の効力が発生するのではなく、この20年間の存続期間は、毎年必ず1年分の登録料を欠かさずに納め続けなければならないことです。

なお、数年分の登録料を一気に支払うことも出来ます。
また、その登録料は、設定登録年月日に納付済年分を加えた日までに、次年度分の登録料を前納する必要があります。

例えば、2009年4月1日に設定登録した場合、最初の3年分の登録料は一括納付するので、3年目が満了する2012年4月1日までに4年目の登録料を前納で納付しなければならず、1日でも納付が遅れると、その日から6月以内に通常の2倍の料金を納めないと意匠権は維持されません。

さらに、納付期限から6月を経過しても登録料の納付がなかった場合、意匠権は、納付期限に遡って消滅したものとみなされます。
このように、意匠権の20年間の存続のためには、毎年の登録料の納付が不可欠であり、しかも、その納付条件は厳しいものであることは、十分に気をつけなければなりません。