秘密意匠の手続きの方法を教えて下さい。
秘密意匠の請求では、本来の意匠登録の出願又は第1回目の登録料の納付時に、①意匠登録出願人の住所(居所)及び氏名(名称)、②秘密にすることを希望する期間、以上の2点を記載した書面を提出します。
この際、本来の意匠登録の登録料以外に秘密意匠のための費用として1件当たり特許印紙5,100円分を納付する必要があります。
なお、出願と同時に秘密意匠の請求を行う場合には、添付図面その他の物件を密封し、「秘密請求」と朱書きして提出します。
秘密意匠の請求が認められますと通常の意匠登録の場合と異なり、意匠公報には登録権者の氏名や住所など基本的事項のみ記載され、請求人が指定した期間は意匠本来の特徴を明らかにする図面や写真等の情報を非公開にすることができます。
これにより、登録意匠を利用した製品の発売前に、第三者が模倣品を製造・販売することを防止できます。
また、万が一、秘密を希望する期間内にそのような模倣品が出回った際にも、意匠権に基づく権利侵害行為の差止請求が可能です。
ただし、意匠本体の情報が非公開であるという条件から、その第三者に対して差止請求を行う場合には、事前に一定の事項を記載した書面を交付して警告することが必要です。
また、本来の差止請求の場合には、意匠公報により公開されているという関係上、権利侵害の相手方が登録意匠であることを知っていた上で、又は、うっかり調査するのを忘れた上で模倣品を作成したという推定が働きますが、秘密意匠の場合にはこの推定が働きません。