出願依頼時には何が必要ですか?

意匠権を取得したい場合は、「意匠登録願」に必要な図面等を添えて特許庁長官に対して提出することで、意匠登録の設定を受けることができます。

この意匠登録願には、意匠に係る物品、意匠を創作した者の氏名及び住所又は居所、意匠登録出願人の氏名及び住所又は居所を記載します。

意匠を創作した者や意匠出願人の住所・氏名等は特に問題はありませんが、意匠に係る物品を記載する場合は、適当に考えた名称ではなく、意匠法第7条で準用する経済産業省令(意匠法施行規則別表第一「物品の区分」)に従って記載しなければなりません。

この願書に、登録を受ける意匠を記載した図面を添付します。

この図面は、意匠(商品)が立体状の形態の場合には、基本的には正投影図法(場合によっては、等角投影図法又は斜投影図法でも可)により、各図同一縮尺で作成した正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図及び底面図の6面を一組とした6面図により表されたものでなければなりません。

また、意匠(商品)が平面的な形態の場合には、各図面同一縮尺で作成した表面図及び裏面図を一組として表したものでなければなりません。

なお、意匠法施行規則第4条で定める場合、すなわち、写真により意匠(商品)が明瞭に現される場合には、図面に代えて上述の6方向から撮影した6面一組の写真を提出することで、出願することが可能となります。

また、意匠法施行規則第5条で定める場合、すなわち、ひな形又は見本が、
(1)こわれにくいもの又は容易に変形し若しくは変質しないもの
(2)取扱い又は保存に不便でないもの
(3)袋に納めた場合にその厚さが7mm以下のもの
(4)その大きさが縦26cm、横19cm以下のもの

等の条件に適合する場合には、作図された6面図の代わりとして、意匠(商品)のひな形又は見本を提出して、出願することが可能となります。

ただし、この場合には、それらを丈夫な袋に納めて、決められた様式の用紙を貼付するなど、一定の方式に従って提出する必要があります。

また、意匠登録願の手数料は16,000円ですから、願書の右上方部に16,000円分の特許印紙を貼付した上で、その金額を印紙の下部の空白部分に記載することにより、手数料を納付する必要があります。

最後に、意匠権が出願されてから登録されるまでの期間についてですが、意匠の登録審査に問題がなかったと仮定した場合(例えば、拒絶理由通知書等の送達がなかった等の場合)、登録審査に約8ヶ月、審査が終了してから登録までの間が約1ヶ月ですので、合計で9ヶ月程度の期間が必要です。