意匠権が侵害されたとする判断基準はありますか。
意匠権が侵害されたとする判断基準はあります。意匠権の侵害とは、正当な権限なく意匠権者以外の他人が、業として登録意匠又はこれに類似する意匠を実施(製造・販売・輸入など)する行為をいいます。
意匠権の侵害の訴えなどがあった場合、裁判所や特許庁で、その他人が実施した意匠が、意匠権者の登録意匠と同一又は類似した意匠であるかどうかを判断します。
この判断の基準は、まず、登録意匠と侵害の疑われる意匠の形態の共通点を認定します。次に、両者の相違点を認定します。続いて、共通点と相違点の評価づけを行い、最後に、総合的に、両者の類似性を判断します。この中で、重要なのは、共通点と相違点の評価付です。
この評価付は、意匠全体に占める共通する部分と相違する部分の重要性の比較のことです。たとえば、両方の意匠の共通する部分が意匠全体にとって重要な部分であれば、意匠権の侵害の可能性は高まります。
また、両方の意匠の相違する部分が意匠全体にとって重要な部分であれば、意匠権侵害の可能性は低くなります。なお、意匠全体にとって重要な部分であるとは、意匠全体に占める面積が大きい、物品の重要な部分に存在している、需要者の目を引きやすい部分に存在している、などという観点から決められます。
このようなプロセスをへて、最終的に、意匠権の侵害行為があったか否かが判断されることになります。