出願後、願書に添付した図面を補正することは可能でしょうか?

結論から先に申しますと、出願後に願書に添付した図面を補正することは可能です。

ただし、図面の補正は、出願した事件が審査されている間、又は、意匠登録後に登録に対する意匠無効審判が請求されてその審判に対する審決が確定するまでの間、又は、前述の無効審判の審決に対する再審の請求がなされた場合で、その再審に係る審決が確定するまでの間にしなければなりません。

また、先に提出した図面の要旨を変更するような補正はできません。

例えば、最初に提出した図面の中で線が足りないことに気付いた場合、その線を追加するような補正が最初に提出した意匠を変更するような補正になる場合は補正が却下されます。

逆に許される補正は、余分な線が入っていて明らかに意匠を構成しない場合に削除する補正などです。

要旨を変更するような補正をする場合には、最初の意匠登録出願を取り下げて、新たに別の意匠登録出願をすることになります。

あくまで補正ですから、先に出願した登録すべき意匠の本質的部分を変更しない範囲の変更に限られる必要があります。

当初の図面からは不正確な意匠の一部について、それを明確にする補正、例えば、物品の一部が透明であり、当初の図面では一部が透明である旨の記載はなく、その一部が透明であることが願書や他の図面から当然に明らかにならない場合で、その一部が透明であるとする図面の補正等は、先に出願した意匠の要旨を変更する補正と認定されるため、補正することができません。

基本的には、図面の補正は難しいと考えた方がよいでしょう。