意匠と図形商標の違いを教えて下さい。

意匠とは工業的な方法で量産可能な製品のデザインのことで、視覚を通じて美感を起こさせるものです。

例えば、Tシャツやセーターに付けられたかっこいい模様、または、それらの衣服の全体の形状などです。

株式会社ブランチ・アウト

      【登録番号】第1489765号
      【権利者】株式会社ブランチ・アウト

また、意匠が保護される目的は、それらの工業的に利用されるデザインの創作者の利益を第三者の模倣による侵害から守ることで、デザインの創作を奨励して産業の発展に寄与することです。

一方、図形商標は、図形や記号の結合でそれを使用する商標権者の商品・役務と他人が使用するそれを区別する役割である自他識別機能と、それを使用する商標権者を表示する役割である出所表示機能を有するものです。

例えば、スポーツメーカーのナイキやプーマのマークがこれに該当します。

NIKE

      【登録番号】第5275308号
      【権利者】ナイキ インターナショナル リミテッド

ナイキやプーマのマークは、消費者がナイキ製品やプーマ製品を選択する際の目印となり、他社製品とそれらを区別する機能を有します。

商標が保護される目的は、商標を使用するものの業務上の信用の維持、それによる需要者の利益の確保、産業の発達に対する寄与です。

このように、意匠と図形商標はそれぞれに要件が異なっています。

同じ図形や記号の組み合わせであっても、工業的な方法で利用可能で視覚を通じて美感を起こさせるものであれば意匠に該当しますし、それが自他識別機能と出所表示機能を有していれば商標に該当します。

これがどちらに該当するかは、それぞれの要件にあてはめて考えていくことになります。