服のデザインは意匠登録できますか?
意匠登録の要件としては、工業的な方法で量産が可能なこと、視覚を通じて美感を起こさせるようなものであること、先に登録された他社の意匠の模倣でないこと、公序良俗に反しないこと、等が挙げられます。
これらの登録の要件を満たした場合には、服のデザインは意匠登録できます。
服の販売に関しては、流行に左右されやすく、そのデザインの良し悪しが、売上に大きくかかわってきます。
また、服の機能よりもそのデザインの方が商品購買を決定要因としてより大きな比重を占める人々も多いと思われます。
このような状況においては、よいデザインの服を創作して販売すれば、販売量が伸びて販売価格が上昇することは必然ですが、そうなった途端に他人がそのデザインを模倣した類似商品を安価に売り始めることが考えられます。
しかし、それを制止する手段がないとしたら、服のデザインの創作に携わる人々の意欲が大きく削がれます。
このようなことになれば、服に関する業界全体が停滞することにもなりかねません。
意匠法によって新規に創作された服のデザインは、このような事態になることを防止するために登録することが可能であり、それにより創作者の利益が損なわれないようにすることができます。
また、服は他の工業製品に比べてより簡単にデザインの模倣ができるため、ますます意匠法による保護が必要であるといえます。