キャラクターを創作しましたが意匠登録できますか?

意匠法第2条第1項では、意匠とは「物品(物品の部分を含む。第8条を除き、以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美観を起こさせるもの」と定義されています。

また、同法第3条において、「工業上利用することができる意匠を創作した者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。」と規定されています。

したがって、意匠権として登録できる意匠であるためには、まず、その創作されたものが物品と結びついていなければなりません。
言い換えると、意匠であるためには、自動車やオートバイ、帽子や傘、靴などの物品の外観上のデザインでなければならないということです。
続いて、その意匠は工業上利用可能なものでなければなりません。

つまり、意匠は物品と結びついていなければならないと述べましたが、その物品は、工業的な生産方法で量産が可能な工業製品でなければならないということです。

分かりやすくいえば、工場で量産できる工業製品のデザインとして、その意匠が利用可能でなければならないということです。

ですから、創作されたキャラクターにつきましては、それが物品から離れた紙上の作品で、個人的な趣味の範疇にあるような作品であれば、意匠ではありませんので意匠登録はできません。

しかし、キャラクターの形状をした何らかの商品であれば、保護できる可能性はあります。

例としては、ご自分の工場で生産している工業製品(例えば、玩具用人形、子供用靴、Tシャツ等)の柄や形状等のデザインとして利用するためにそのキャラクターを創作した場合、又は、他の会社からその会社で製造している工業製品のデザインの創作を依頼され、そのために、そのキャラクター創作した等の場合には、物品(工業製品)と結びついたデザインであるという条件と、工業上利用可能であるという条件は、明らかに満たしますので、意匠権のその他の登録要件である新規性や創作性等の条件を満たしていれば、登録される可能性は十分にあります。

意匠の保護を図る意匠法の目的が、「意匠の創作を奨励し、もって産業の発展に寄与する」(意匠法第1条より)ということですので、どうしても保護の対象となる意匠は、産業の発展に貢献するものに限られてしまいます。

法の保護を受ける意匠は、工業製品に応用可能なもので、当然ながら、その工業製品が商品として販売されるのも、すぐれたデザインで人の視覚を通じて美感を起こさせることにより、販売量の増大を通じて産業の活性化に貢献するものになります。