意匠登録出願から特許出願や実用新案登録出願へ変更できますか?

結論から申しますと、意匠登録出願から特許出願や実用新案登録出願に変更することは可能です。

出願日を維持しつつ特許や実用新案などの出願形式を変更することを「出願の変更」といいますが、この出願の変更は、特許出願と実用新案登録出願、特許出願と意匠登録出願、実用新案登録出願と意匠登録出願の各相互間で認められています。

ところで、意匠登録出願から特許出願又は実用新案登録出願に変更する場合には、次の要件を満たしていなければなりません。

まず第一に、出願人と変更出願の出願人は同一人物でなければなりません。

第二に、出願された意匠について実用新案登録出願に変更するときは、最初の拒絶査定謄本の送達日から3月以内又は意匠登録出願の日から9年6月以内にする必要があります。また、特許出願に変更する場合は、最初の拒絶査定謄本の送達があつた日から3月以内又は意匠登録出願の日から3年以内にする必要があります。

第三に、出願変更時に原出願が取り下げられたり、出願の放棄等がされておらず審査中であるなど、特許庁に対して係属している必要があります。

第四に、出願の客体である目的物(物品)が変更前と変更後で全く同一のものでなければなりません。言い換えると、出願の形式の変更ですので、出願の対象である目的物は変更してはなりません。

以上の要件を満たした場合には、意匠登録出願をそれぞれ別の形式の出願に変更することができます。