2015年2月26日、東京地方裁判所は体重計の意匠権侵害を争う訴訟において健康機器大手メーカー・オムロンヘルスケアの主張を認め、計測器大手メーカー・タニタに1億2,900万円の損害賠償の支払いを命じた。
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敗訴したタニタは、控訴も視野に入れて検討を進めるとのコメントをしている。訴えによると、タニタが2012年10月に発売した体組成計付体重計「フィットスキャン FS-100」のデザインが、2011年9月にオムロンが発売した体重体組成計「カラダスキャンHBF-212/214」など2商品と酷似しており、意匠権の侵害に当たるとの主張である。

タニタは、当該商品のデザインは体重計の基本的なデザインであって類似には当たらないと主張していた。意匠法の算定規定からすると、商品1台当たりの利益に販売された実績販売数をかけた数字が1億2,900万円という損害賠償額となったと推測される。

オムロンとタニタは体重計業界のトップを争う大手メーカーであり、市場のシェアを二分する企業同士だ。

オムロンヘルスケア社は、2011年3月に「カラダスキャンHBF-212/214」のデザインを意匠登録出願し、2011年9月にそのデザインの意匠登録がされ、販売が開始されました。

今回の東京地方裁判所の意匠権侵害を争う訴訟において、オムロンヘルスケア社が勝訴したことは、意匠登録を行ってから製品を販売したオムロンヘルスケア社の知的財産財戦略が勝因だったと考えられます。