2015年8月1日より特許庁は世界的な意匠情報データベースに日本の「意匠公報」を公表すると発表した。日本国内の意匠権情報が世界に発信されるとともに、国内ユーザーが世界の公報と一括で検索できるようになった。
(参照:日本でも意匠の国際登録制度が2015年5月より利用可能に。

この取り組みは、世界知的所有権機関(WIPO)の世界的な意匠情報データベース「Global Design Database」に、平成12年以降に日本国内で発行された意匠公報を提供するものだ。

グローバル化が進む中、商標の情報も世界とのかかわりがより深まっているので必要な取り組みと考えられている。現在、「Global Design Database」には国際登録に加えてカナダ意匠公報、ニュージーランド意匠公報の合計23万件以上が蓄積されている。

日本の参加により、データ件数は約3倍の70万件以上となる見込みだ。今後、米国もこれに加わる見通しとなっており、世界規模の意匠データベースが形成されていくことが期待されている。

経済のグローバル化の中、国際的に活動する企業の知的財産権対策は、ますます重要性を帯びてまいりました。

そんな中、世界的な意匠情報データベース「Global Design Database」に、日本の意匠公報が公表されることで、今後は、海外において意匠登録をしようとする者が、意匠登録の出願前に、日本で登録済みの意匠権を侵害しているか否かを、より簡単に調査できるようになりました。

このことは、意匠権に関するトラブルを事前に防止する上で、大いに役立ちます。日本の意匠権の事前調査を容易にすることによって、日本の意匠権を侵害するような意匠が出願さえる可能性が減ります。そうすると、登録された意匠権の取消しを求めたりするような訴訟が起こるリスクは減少します。

今後、「Global Design Database」は参加国が増えて、まずます充実していくことが予定されています。この情報データベースの発展が、意匠に関する訴訟トラブルの抑制により効果を発揮してゆくことが期待されます。