関連意匠の具体的な活用事例を教えて下さい。

一つのデザインコンセプトから複数の製品が生まれることがあります。

関連意匠を活用すれば、これらの複数の製品すべてについて意匠登録できます。

フォークリフトの意匠

     【登録番号】第1497269号
     【意匠権者】ニチユ三菱フォークリフト株式会社

例えば、最近ホームセンターなどでは、小回りの利く小型のフォークリフトをよく見かけます。

この荷役自動車について、バッテリーカバーの部分が殻で操作台の部分が胴体のように見える「かたつむり型」の製品を開発したとします。

この形式の自動車は、その主要な部分を共通にして様々なバリエーションが可能です。

例えば、乗務用の屋根(ヘッドカバー)付きのものとそうでないもの、側面に模様の入るものとそうでないもの、後部を荷台として利用できるよう手すり付きのものとそうでないもの、等です。

これらは、すべて「かたつむり型」フォークリフトという一つのデザインコンセプトから生み出されたバリエーションです。

関連意匠登録を利用すれば、そのうちのもっとも原コンセプトに近いものを本意匠、その他のものを関連意匠として、そのすべてについて意匠登録することができます。

また、このように意匠登録しておけば、第三者が本体の形状は同じですが手すりを付けた程度、又は、屋根を付けた程度の変更を加えた模倣品を販売した場合、関連意匠の権利により本意匠のみの登録の場合に比べて、より簡単に使用の差止請求ができます。

関連意匠を活用すれば、本意匠をより強力に保護することもできます。