ホームページ上で意匠を公開する際の注意点や準備等を教えて下さい。

出願済みの意匠をホームページ(以下HPと記載する。)上で公開することにつきましては、特に問題はありません。

しかし、将来、意匠登録をしようと考えている意匠をそれに先んじてHP上で公開する場合には、注意が必要です。

意匠登録出願前に電気通信回路を通じて利用可能となった意匠を「新規性を喪失した意匠」といいますが、その意匠は登録ができないことになります。

ですから、登録出願前に意匠をHP上で公開してしまうと、それは登録できなくなります。

しかし、ビジネスの都合で、どうしても出願前にHP上で意匠の公開が必要な場合もあると思います。

そういった場合のために、意匠の登録が不可能になってしまうと、重大な支障を及ぼしますので、「新規性の喪失の例外」という規定が設けられています。

それは、出願人自らが意匠を公開した場合、公開から6ヶ月以内に「新規性の喪失の例外」の規定の適用を受ける旨の特記事項を付記した願書に、出願人が自らHP上で出願意匠を公開したことを証明できる書面を併せて(出願から30日以内に提出します。)、意匠登録の出願をすることで、そのような場合でも例外的に登録を受けることができます。

したがって、将来登録をしようとする意匠をHP上で公開する場合には、そのHPの存在を証する書面、そのHP上の意匠を公開したページを証する書面、その公開日時を証する書面(HPのトップ画面やページの印刷物等)を準備しておく必要があります。

なお、新規性喪失の例外はあくまで例外です。できる限り、出願前の公開は避けましょう。